代理出産の現状と問題点

平成22年4月27日(火)に代理出産の法整備を進める超党派勉強会
が開催され「代理出産の現状及び問題点」が話し合われました。

PDF

http://news.e-smc.jp/topics/pdf/100427.pdf

 

まとめると

 

代理出産の問題点


 代理出産には

1.ホストマザーと呼ばれている「配偶者間体外受精」

 夫婦の体外受精卵を他の女性に移植し、出産してもらう方法

 

2.サロゲートマザーと呼ばれる「非配偶者間体外受精」

夫の精子を妻以外の女性に人工授精し、妊娠、出産してもらう方法


の2つがあります。


1. 配偶者間体外受精は、卵子・精子に問題がないが妊娠に至らない場合と年齢や体力  的に妊娠・出産に耐えられない場合に行われます

 

2. 卵子がなんらかの理由でつくることができないが妊娠を望む場合に取られる方法です

 


日本産婦人科学会は代理出産を認めていない理由

 

【倫理的理由】

1.反自然的方法であり、性行為とそれに先立つ男女の関係を伴わない「ヒトの製造」である


2.代理出産が報酬で請け負われることにより、女性の子宮を商品として利用すること

になる

 

【双方(代理出産を頼む法と頼まれる方)の福祉と利益に関する理由】

3.生まれてきた子に障害があったような場合、生まれた子どもに不満であるとして、

依頼者が引取りを拒否することが考えられる


4.代理母が出産後の精神的ダメージが無視されている(子供をお腹の中で育ててい

るため愛情が湧くため)

 

5.妊娠・出産は妊娠中毒、出血多量、子宮破裂等の命に関わる危険が伴うのでリス

クを他人に負担させる契約は認めるべきでない


【その他、社会的・思想的理由】

6.代理母となる女性の属性(白人、東洋人、黒人など)が問題となり、人種・学歴等

による差別につながる

 

7.代理母が一般に承認されのなら女性に出産に対する義務感が生まれ「他人を利用しても出産すべきである」という出産義務の押しつけとなり、性差別が起こりえる

 

などの理由が挙げられています。


各国の法制度

日本に代理出産を規制する法律はありません。

医師の自主的規制に委ねられてきました。

 

2003年4月、厚生省厚生科学審議会生殖補助医療部会は、法律上の夫婦に限定し

て、AID(第三者の精子を妻の胎内に人工的に注入する方法)と他の女性の卵子提

供による体外受精及び余剰受精卵の使用を認めています。

 

しかし、2004年12月に開催された厚生科学審議会の「生殖補助医療技術に関する

専門委員会」は、「人を生殖の手段として扱うものであり許されない」として代理出産

を禁止し、将来法律で規制する方針を打ち出しました。

 


では、アメリカなどの海外では代理出産は認めているのでしょうか?


実際のところ、法律による規制はおかれていません


しかし、1989年の「技術援助により懐胎した子の法的地位に関する統一法」では


1.事前に裁判所が契約を審査するという条件付で認める

2.禁止


のいずれかを、各州に選択させる、という方法を取りました。

 

日本人夫婦が渡米して斡旋を受け、代理出産に成功したケースは現在、年間10例以上報告されています。


最も盛んなのは、カリフォルニア州とニューヨーク州では、早くから代理出産プログラ

ムが認められています

 

しかし、州によっては代理母を禁止しています。


イギリスでは代理母の仲介、あっせん、金銭の授受、広告は禁止

 

ドイツ、フランス、スウェ-デンでは禁止、

これらの国には殆ど全てで罰則があります。

ベルギーでは認められています。


アジアでは韓国やタイ、インドでは認められ海外からの依頼が急増しています。
 

 

ガイドラインの整備

代理出産を成功させた長野県の「諏訪マタニティークリニック」が定めるガイドラインの主な事項は

1.依頼者は子宮のない女性に限ること

 

2.自分の子宮を貸して代理出産を行なう女性は、すでに子どものいる既婚者に限り、

生まれた子どもに対していかなる権利も主張しない旨、誓約書にサインすること

 

3.依頼側の夫婦と、請け負う側の夫婦は身内に限り、4人一緒に来院して事前説明

を受けること

 

4.出産後、ただちに子どもを依頼側夫婦に引き渡して養子縁組をすること、

 

 

などです。

 

何年も不妊治療をしているが妊娠に至らない夫婦や子宮摘出などで卵子ができないがどうしても子どもを望む夫婦が、代理母を頼んでも子どもが欲しいと望むことに、賛否両論があることは分かります。

このサイトの管理人は代理母を頼んでも子どもが欲しいと望みましたが、様々な理由で断念しました。

それでも、今でもあきらめきれない思いがあります。

こういう感情は理屈ではないのです。

 


 

 

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