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着床前診断をしているクリニック

日本産婦人科学会は「受精卵診断」つまり着床前診断を全面的に認めてはいません。筋ジストロフィーについてのみ、公に認めています。

習慣流産を防ぐための受精卵診断を一部認める方針を決めましたが、正式決定には至っておらず、体外受精、顕微授精での着床前診断については、認めておらず、実施したクリニックにペナルティを課しています。

公に着床前診断をしていると発表しているのは、

 

長野の「諏訪マタニティークリニック」と

神戸の「大谷レディスクリニック」

 

です。

 

実際はもっとしているのですが、データとしてメディアでの発表はしていません。

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産経新聞2012/7/23

 

長野の「諏訪マタニティークリニック

不妊治療で体外受精した受精卵を子宮に戻す前に、着床のしやすさを調べるために一部の染色体の異常を調べる検査を実施し、7人が出産したことを長野県下諏訪町の「諏訪マタニティークリニック」が23日、明らかにした。

こうした「受精卵診断」は、命の選別につながる恐れもあるとして、日本産科婦人科学会は対象の病気を限定し、ケースごとに申請するよう求めているが、クリニックは申請せず、承認を得ていない。

根津八紘(やひろ)院長は、受精卵診断により不必要な流産を避けられ、女性の精神的、肉体的負担を軽減できると強調。「学会が一方的に規制するのではなく、当事者が必要性に応じて受けられるべき医療技術と考えている」とのコメントを発表した。

クリニックによると、平成18年から今年5月に20組で受精卵診断をした。12組の受精卵を子宮に戻し、うち7人が出産、1人が妊娠中。診断を受けた女性は32~45歳で、平均年齢は40・9歳だったという。

着床に関する受精卵診断をめぐっては、神戸市の「大谷レディスクリニック」が学会に申請せず全ての染色体を検査できる新たな方法で実施、19人が出産したと11日に発表した。

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産経新聞2012/07/11

大谷レディスクリニック

 

体外受精した受精卵を母体に戻す前にすべての染色体を検査し、異常の有無を確かめる新型の「着床前診断」を、神戸市中央区の大谷レディスクリニック(大谷徹郎院長)が129例実施し、16人が出産したことが11日、分かった。これまでの着床前診断は染色体の一部しか調べられなかったが、新型は全染色体の異常がわかる。同医院は「流産の原因の多くは染色体異常で、この方法は母体に負担となる流産を減らすことができる」としている。

 しかし、染色体異常が見つかった受精卵は患者の同意を得た上で破棄するため「命の選別」につながるなどとして、日本産科婦人科学会が着床前診断そのものを会告(指針)で重い遺伝病を除き認めていない。ただ、法律上の規制はなく、同医院は今回の診断も学会に申請せずに実施した。

 大谷院長は、平成14年から受精卵の細胞の一部を取り出し23対(46本)ある染色体の一部を調べる着床前診断について、患者の同意を得て実施。今回の方法は、全染色体を調べる「比較ゲノムハイブリダイゼーション(アレイCGH)法」と呼ばれ、ほぼ確実に異常を見つけ出すという。

 大谷院長によると、昨年2月から今年5月にかけ、129組の夫婦に、1回ずつ新型診断を実施。患者の年齢は25~45歳で、いずれも受精卵の染色体異常が原因で着床しなかったり、流産を経験しているという。129組のうち受精卵が順調に育ち、子宮に戻せたのは70組。50人が妊娠、19人が出産に至ったが3人は流産した。28人が現在妊娠中。この診断で受精卵を子宮に戻した患者の妊娠率は約7割で、診断を行わない妊娠率の3倍近いという。

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