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OHSS卵巣過剰刺激症候群
OHSS卵巣過剰刺激症候群
OHSS(卵巣過剰刺激症候群)とは
主に、hMG注射とhCG注射の2種類の排卵誘発剤を使用するゴナドトロピン療法に
よっておこる副作用のことです。
卵巣の大きさは親指大位ですが、排卵誘発剤で卵巣を刺激することで、卵巣が腫
れ、お腹に不快感や下腹部の膨満感を伴います。
重症になると腹水や胸水がたまり、入院が必要になることがあります
OHSSは必ず起きるというものではありません。
●OHSSの症状
・お腹が張る
・腹痛や下痢がある
・急激な体重増加
・吐き気
・尿量減少
・息苦しさ
●OHSSの原因
排卵誘発剤によって、卵巣内の卵胞が一度に成長するため、卵巣が腫れ卵巣表面
の血管から水分が腹腔内に露出することが原因です。
露出した水分は腹水となり血液が濃縮され尿量が減少します。
その結果、電解質の異常、血栓症、呼吸障害などが起こるのです。
●OHSSを発症しやすい方
一般的には排卵誘発剤に敏感に反応する方が発症しやすくなります。
・卵巣の反応のよい年齢の方(〜35歳)
・やせている人
・PCOS(多嚢胞性卵巣症候群:卵巣内に小さな卵胞が多数存在する)の方
●OHSSの治療
軽度〜中等度の場合には外来で経過観察しますが、重度の場合には入院が必要となります。
妊娠するとOHSSが悪化しますのでOHSSが疑われる場合には、全ての胚を凍結、胚移植をキャンセルします。