OHSS(卵巣過剰刺激症候群)とは

OHSSは排卵誘発剤(主にはhMG注射)を使用する事で起きる症状です。

hMG製剤などで卵胞を刺激し発育させたあと、hCG注射により排卵を誘発すると、卵巣が腫れて腹水がたまり(最初は卵巣の周囲のみですが、ひどくなるとお腹全体に広がることがあります)

この症状が進行すると、血液が濃縮して血栓症が起きることがあります。

これは、血管内から水分が漏出することが原因で起こる現象で、この結果血圧の低下を招いたり血液凝固能が亢進し、血管内で血栓を起こしやすくなることで脳梗塞や心筋梗塞、肺梗塞などの生死に関わる大事に至る可能性も出てきます。
また、卵巣の腫大自体は茎捻転を招くこともあり、開腹手術を必要とする場合もあります。  

hMGなどの排卵誘発剤を用いて、卵胞を人工的に多く作る場合、最初に育ち始めた10~20個ほどの卵胞をそのまま成熟させる作用があるのです。(普段は親指大くらいの大きさの卵巣ですが、20mmもの卵胞がいくつも発育すると7~13cmぐらいにまで腫れあがります。)

その結果、たくさん育ちすぎてしまう人に、OHSS症状が出る,または出やすいのです。

 

治療方法 


治療の基本は、入院による安静・点滴となります。

血漿量減少に対しての輸液を確保しながら、血圧低下に対して昇圧剤を投与したり低タンパク血症に対してアルブミンを投与したりという治療を行います。

通常はこの治療により、hCG注射後約1週間後頃をピークとして軽快に向かいますが、妊娠が成立した場合には、着床後から妊娠組織部分からhCGが分泌され始めますので、妊娠初期の間は完全には症状が軽減じないため、ケースによっては妊娠初期の間ずっと入院治療が必要となることもあります。

 

しかし、妊娠4ヶ月に入って胎盤が形成されてくると必ず軽快します

 

どれだけ長くても3ヶ月以内には退院できるものと思って良いでしょう。

 

妊娠しなかった場合にはピーク(HCG注射後約1週間後頃)を過ぎると急速に症状が消退していきます。
次の排卵への影響を心配することはありません。  

 

OHSSは適切な治療を施しさえすれば決して怖いものではありませんが、病院へ行かずに放っておくと血栓症や血圧低下によるショックなどで命を落とす危険性のある疾患です。

 

hCG注射後からお腹が妙に張る,痛い、トイレへ行く回数が激減した、
肌が異常に乾燥してきた、呼吸が苦しい、胸が苦しいなどのおかしいと思う症状が出現してきたならすぐに病院へ行くようにして下さい。
決してガマンなどはしてはいけません。

 

① 多嚢胞性卵巣症例
②35才以下の若年者
③血中エストロゲン値が4000pb/ml以上の症例
④多数の卵胞発育症例
⑤黄体機能補充としてのHCG投与症例
⑥GnRHアゴニスト使用症例
⑦妊娠成立症例(重症化することが多い)

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