納得のいく治療を選ぶために必要なことは?
治療法を選ぶのは自分自身です。
「おまかせ」の依存的な気持ちでは、自己決定はできません。
病気を正しく知り、治療法を納得して選択するために知っておきたいコト
1、病気について知る
病院に行く前にどんな病気の可能性があり、どんな検査や治療法があるのか、予備知識をもっておくと、医師の説明の意味や背景を理解することができ、質問するべきことやわからない点がはっきりします。
医師には、丁寧にわかりやすく説明する義務がありますが、建前どおりにはいかないこともあるますので病気について、おおまかにでも調べておくことが必要です。
複数の情報を集め、目を通すことは鉄則です。インターネット、本、新聞、雑誌や患者団体などを活用して、公平な評価をしてください。
どんな病気でも診断に幅があり、治療法には必ず複数あります。
治療法により、経過や、後遺症の出方も随分と違います。
しかし、実際は担当医の治療法のみしか、提示されない場合が多く患者が選択をするのではなく、その医者の得意な治療に誘導されることもあります。
ですから、患者の体験記や最新の治療法などの情報を、入手して一方的な情報に
流されないようにしましょう。
2、病院選び・医者選び
医師や病院を選ぶための客観的で信用のおけるデータはまだまだ、乏しいのが実情です。有名な先生と呼ばれる医師や、病院でも「ほとんど説明がない」「質問したら怒られた」など 患者からの苦情も目立つところがあります。
たくさん患者がきているから、よい病院、よい医師というわけでもないようです。
また、信頼している医師の紹介だからその人にとってよい医師とも限りません。
ですから、複数の情報にあたってみることはやはり、必要だと思います。
そうはいえ、悪評は信用しても良い場合が多いようです。
患者さんは、自分の受けた治療が適切だったと、思いたい心理が働きますので自分の医者を信じたい気持ちに見切りをつけ、自分の受けた治療が、酷かったと話すのは、よくよくのことだといわれています。
また、病院や医師の治療成績を公開しているところもありますので、インターネットなどで調べてみてください。
誇大広告をだしているところもありますので、注意が必要です。
「100%完治する」「危険はない」などの表現は、医学に絶対はありません。
3、治療法を選ぶ
診断や治療法は医師によって様々ですので、診断の根拠や治療法の選択基準をきちんと提示してもらうことが大切です。
医師との上手なかかわりを持つには質問をすることです
次のような質問がいいでしょう
・病名は?
・どんな状態か?
・原因はなにか?
・どんな治療が必要で、その理由は?
・その治療法の副作用や後遺症は?
・治療しないでそのままでおいたらどうなるか?
・他の治療法の選択はあるか?
など、上手に聞きましょう
インフォームド・コンセント(十分な説明と同意)は医師の義務ですが、必要な情報を十分に提供している医師は、まだまだ少数です。
日本の健保制度では、医師がひとりの患者に長い時間をとるには限界があります。
ですから、看護師などのほかの医療者をもっと利用することもできるでしょう
最近では、ベテランの看護師などが、じっくりと話を聞いてくれる医療機関もあります。
態度に問題のある医師も多いですが、患者側も受身ではなく、説明がわからない場合はわからないと意思表示をしましょう、メモをとったり、必要であれば誰かに同席してもらうなど医師とのコミュニケーションを取ることが、大切です。
症状が改善しない場合や、からだの負担が大きい治療を受ける場合には
セカンド・オピニオンを求め、他の医師の意見も聞いたほうがよいでしょう
担当医にセカンド・オピニオンを希望する旨を申し出て、検査データ、画像のコピー
カルテのコピー、病理標本なども借ります。担当医の出身大学や所属する医局を変えるなど必要に応じて、タイプの違う医師にかかってください。
放射線科や病理医など他の科の医師の意見も聞くのもいいでしょう
セカンドオピニオンを希望したら、担当医が気を悪くするのではないか
もう、担当してもらえないのでは・・・・などの心配をする方もいらっしゃいますが
もし、そんなことでいやな顔をする医者なら、見限ったほうがいいでしょう
基本は、自分がどうしたいか。そしてその選択が自分の健康にとって、どう影響するのかよく考えましょう
自分で決断・・・迷いそう・・・
迷うのは当然です。もとにもどせない選択は重いし、それでも治療に王道はないので
自分で納得し、自己決定するしかありません。
自分としっかり向き合い、悩み、自分で選択するならば、結果をきちんと受け止められます。