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体外受精のこれから 卵子の若返り法
体外受精の研究者の間では、卵の質を改善する方法や円形精子細胞の研究が進んでいます。
将来的には、これらの技術が確立されて、難治性の不妊のために悩んでいるカップルのために
良い知らせとなると思われます。
体外受精の妊娠率は施設によりますが、良くて15〜30%といわれています。
また、この数値は年齢にもよります。
中には、5回、6回と体外受精にチャレンジしても妊娠に至らないカップルも少なくありません。
体外受精では、採取した卵子と良い精子を媒精・培養して受精を待ちます。
精子、卵子とも問題がなければ、翌日には受精が確認できます。
しかし、中には受精をしなかったり、受精卵が4〜8分割まで進まないこともあります。
精子に問題がある場合は、顕微受精が行われるようになってから、大半が解決をすることができましたが、卵子側、つまり、卵の質が悪い場合の治療法は、まだ研究が始まったばかりなのです。
卵子をつくる原始卵胞は、胎児期に卵巣が形成されるときから卵巣内にありますので、女児が誕生してから、原始卵胞の数が増えることはありません。
そして、年とともに原始卵胞も加齢をしますので老化をします。
女性が40代以上の不妊治療では卵の加齢による、質の低下が障害となるケースが少なくありません。
この卵の質の低下という問題の将来的な解決策として、研究が進んでいるのは「卵の若返り法」と「クローン技術の応用」です。
つまり、「若い女性から卵子の提供を受け、核だけを入れ替えて若い細胞質を活用する」というものです
卵の細胞は遺伝子情報の入った核と細胞質、細胞膜などから成り立っています。
加齢の影響が最も現れやすいのが、胚の発生に必要なエネルギーを作る、ミトコンドリアなどの細胞質だと言われています。
アメリカのコーエンという研究者はこの細胞質に注目し「卵の若返り法」を考案しました。
質の良い提供卵子から細胞質の一部をピペットで抜き取り、顕微鏡で患者の精子と一緒に、患者の卵子内に注入します。すると、卵子が若返り、受精、分割が促進されます。
提供された卵子のミトコンドリアDNAは胎児の6ヶ月頃まで残りますが、体質や気質などの夫婦本来の遺伝子までは影響が及ぶことはなく、生まれた子供は夫婦の子供です(医学雑誌「ランセット 98年より引)
卵の質が悪いと、卵の分割が進まず、割卵の大きさにばらつきのある不良胚になりやすくなります。
この不良胚から割卵の一つをとりだし、提供卵子から核を取り出し、患者の割卵の一つを胚細胞移植します。すると、エネルギーの生産能力の高い細胞質のなかで、分割を始めよい胚ができる確率が高くなるといわれています。
卵細胞質移植、核移植などの卵子の若返り法は安全性が十分確立されていないため、日本では許可されていません。